INTERVIEW
インタビュー- 【 有限会社寿ドレス 様について】
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長年培った縫製技術で、BHW、丈等一人一人のサイズオーダーに対応しており、月産300~500枚ほどフラダンス衣装を製作。
2017年からは、大手セレクトショップに展開をしていたブランドのデザイナーを新たに迎え、デザイン、パターンからのオーダーも可能になりました。
また新事業として、日本の伝統素材をファッションの視点から構築した新ブランド《SAKUYA KOTOBUKI》をスタート。その第一弾として、歌舞伎や能衣装で使われる金襴生地を使用し、国内外の支援施設(社会復帰、障害者施設)と連携して、様々なモチーフを散りばめたコラージュバッグ、正絹の金襴生地を使用したマットを製作。作りは日本製にこだわり、イスラム圏や動物愛護を鑑みて、脱皮革素材で財布、ベルト、バッグ等の展開を進めています。ブランドイメージは『豪華絢爛』『百花繚乱』。2020年に向け、日本の美しい素材を世界基準のデザインに落とし込んだ商品を発信中です。
- 【展示会名】
- 第89回東京インターナショナル・ギフトショー春2020
今回、スタートさせた新ブランド「SAKUYA KOTOBUKI」を世界に発信したいと思い、まずは国内での発表第一歩として、ギフトショーの出展を決めました。金襴生地を使用したマットを始め、国内外の支援施設と連携したコラージュ作品など、新しい切り口で商品展開しているのですが、ブランドを立ち上げたばかりなので、とにかく発表の場を設けることが目的でした。
昨年の8月に、アブダビ展【ADIHX】に出展してまいりました。初めて触れる金襴生地の豪華さに、現地の方からも高評価をいただけましたが、海外での展示会ではほぼ装飾感が出せません。高級感が出しづらかった経験を踏まえて、今回の国内出展では、きちんと世界観を含めてブースを作り込みたいなと考えておりました。別のブランドでは装飾も全て自身で行っておりましたので、展示会自体は慣れているんですが、今回国内初出展ということもありますし、世界観を出すためにはシチュエーションが重要だと考え、装飾業者への依頼を決めました。
「1小間」「低価格」と調べてみて、数社見比べていました。その中で御社がされていた過去のブースで黒のシンプルなブースを見つけ、イメージが付きやすかったです。大企業のような費用の掛け方はできませんが、今回はありもののパーツを使ったシステムブースではなく、低価格でも世界観を出せるブースを探しておりました。他社と比べても親しみやすい価格帯で事例が載っていたので、安心して問合せができました。
何度も打合せを重ねたわけではありませんが、その中でもズバンズバンと、Wさんからの返事が「え?なんで?」というくらい、頭にあるものが具現化して返ってくるのでびっくりしました。ニュアンスが伝わらない方だと、これが何回やりとりしても伝わらないんです。価値観とか世界観とか、そういった部分で分かってらっしゃる。きっと前職での経験がすごく活かされているなと思いました。
同じ世界観のイメージを持ってもらえないと、何でもそうですが「伝わらない」んですよね。「あ、同じ景色見れてる人だな」って思ったので、最初にお話ししていた通りのブースに仕上がりました。
「一致させる」ってできるんだ!って思いました。思い描いていたブースイメージのままでしたので、素直に嬉しかったです。デザイン的な部分って、お互いの価値観や視点、技術力が合わないとどうしてもズレが出てしまいますよね。でも、それがピタッとイメージしたものが目の前にあることに喜びを覚えました。想像通り、100%以上に。
イメージと具体的なものが100%ってなかなか難しいじゃないですか。それがこうなったらいいなっていうものが出来てきたので、本当にびっくりしました。仕上がったブースを見て、デザインも質感も一緒だったので嬉しかったです。
展示品の他に装飾用のクロスを持ち込んでいたんですが、選んだわけではないのに偶然にもサイズ感がピッタリで、ここでもまさかの一致でビックリしました。出展エリアのど真ん中で、すごくいい場所にブース位置をいただけたのもありましたし、周りには白いブースが多く、とても目に留まりやすい仕上がりだったと思います。
作業はやりやすいようにきちんと対応していただきました。ただ、ハンガーフックや棚板などの設置物があったんですが、現場合わせで確認しながらの設置となり、大変時間が掛かりました。事前に位置決めはしていたので、図面通りに施工していただければ何の問題もありません。
とはいえ、出展者によっては色々おありでしょうから、次回は図面通り設置していただければ大丈夫です。セッティングも世界観の表現のひとつですし、棚の高さなど細かい寸法を、現場スタッフの方に当日聞かれても出展者は迷ってしまいます。多少思っていた高さと違っていても、事前に決めた寸法で問題ありません。
それよりも、展示品をセッティングする時間を含めて、世界観づくりに集中したいと私は思っています。
当初ターゲットとして考えていた海外の方は全くいませんでした。コロナウイルスの影響があったのと、海外出展の方はビッグサイトの方でしたので、単純に青海展示棟との行き来が難しいのも影響していると思います。ただ、実際にはお付き合いしたいと思える方にお声掛けいただけたので、一回目の出展としては凄く良かったと思います。
外商の展示会にもお声掛けいただけたり、ギャラリーをお持ちの方にその場でオーダーいただけたり、お寺関係に卸す方など本来ターゲットとはしていなかった方の反応にも驚きました。実は本展のアワードにも応募していたんですが、数多いる出展者の中で「匠の技賞」に選ばれ、国内での第一歩、良いスタートが切れました。
大きな予算を掛けられない企業でも、低予算できちんとブースを作り込みたい。それが叶うところでしょうか。御社の中でも、沢山ある事例の中でシステムブースが多く見受けられましたが、その中でイメージしていたブースが見つけられたのは施工実績があってこそですね。実際に、「全部含めてナンバーワン」と言っていただけたことが結果です。
実際にご満足いただけたことが、一番に嬉しいです。
初めてお会いした際に、「どのように発信していきたいか」を熱くお話しいただいたことで、今回のブースは「商品の世界観を崩さない」ものにしなければならないと感じました。
伝えたい商品の世界観と、作りたいブースのイメージをきちんとお持ちでしたので、私としても世界観のイメージがしやすかったです。また、今回はイメージに一致させるブース作りをしましたが、次回はイメージ通りの一歩先、予想以上の景色を一緒に見たい、と心躍っております。
ギフトショーでのアワードを受賞されたことも、おこがましくも自分事のように嬉しいです!今回はご縁をいただきありがとうございました。