withコロナ初の展示会見学レポート
2020.08.12■出展者が気になる4つの視点
緊急事態宣言解除後、初の大規模展示会が、インテックス大阪で開催されました。展示会名は、一般社団法人日本能率協会が主催するメンテナンス・レジリエンスOSAKA2020です。
今回1・2KOMAでは4社のブース装飾を施工させて頂きました。withコロナ初の展示会のため業界問わず、動向が注目されており、多くのメディアで展示会開催のニュースが報道されていました。1・2KOMAでは出展者が気になるwithコロナ初の大規模展示会の状況を「4つの視点」と「展示会を見学して感じたこと」をまとめてみました。
■1 withコロナ初の展示会はどんな状況?
率直な感想としては、これまでの展示会とそこまで大きな違いは感じませんでした。以前と異なる点は、展示会運営においての新型コロナ感染防止対策です。
入場口では、入場時間規制による入場者数の調整、消毒液の設置、受付は間隔を開けたソーシャルディスタンスとサーモグラフィでの検温が実施されておりました。また、入場証には大阪府が取り組む感染拡大を防ぐ仕組みの「コロナ追跡システム」の登録QRコードが印刷されているため、登録を促す仕組みができていました。
会場内でも、休憩スペースには、アクリル・消毒液が設置されており、また会場スタッフがこまめに消毒をしている様子がみられました。セミナー会場では登壇者はマスク着用の上、アクリル越しのスピーチで、聴衆用の椅子は間隔を空けて座る仕組みができていました。装飾の観点では、費用を抑えたシンプルな基礎小間を利用したブースがやはり多く感じました。そのため、装飾をしている出展ブースが目立っていたと思います。
■2 ブース内ではどんな感染防止対策をしているのか?
会場に入りまず目に留まったのは、フェイスシールドを着用している出展者でした。多くのブースで展示台に消毒液が置かれており、またブース内の受付台やプレゼン用の演台に、透明アクリルを設置して感染対策しているブースもありました。
弊社ではお客様のブースに感染対策防止への取り組みサインを手配させて頂きました。その他にも、飛沫対策として、吊り下げタイプのフレーム付きビニールカーテンを用意させて頂きましたが、こちらは、皆様不要とのことで、設置は致しませんでした。
本来であれば、コロナ以前の展示会には無かった感染防止対策は、異様な光景に映ると思いますが、すでに新しい生活様式として、飲食店やスーパー、百貨店など、あらゆるところで感染防止対策が実践されています。そのため展示会場での同じ光景に見慣れていたため、劇的に変化した展示会という認識には至らなかったのかもしれません。
■3 来場者はいるのか?
展示会場に入り感じたことは、思ったよりも人がいる印象でした。主催者から発表された全展合計の速報来場登録者数は10,352名でした。この展示会は例年東京ビッグサイトでの開催のため、今回のインテックス大阪では、エリアや会場の大きさなどの前提条件が異なるため、比較対象にはなりませんが、来場者数だけで比べると、来場者は少ないと言えます。
しかし、今回4社のお客様に現場でお話しを伺うと、「来場者は少ないけど目的意識が高い人だけが来てくれた」、「半数は割っていない体感なので、成果としては良いのではないか」、「思ったよりも来場者がいて安心した」、「感覚的には東京での展示会と変わらない程度の集客がある」など、いずれも好意的な感想でした。
第一波よりも全国各地で、感染者数が増えている状況での展示会開催でしたので、「さすがにほとんど人は来ないんじゃないか?」という諦めや、「もしかしたら開催も中止になってしまうのか?」という予測不能で不透明な背景との落差が、思ったよりも人がいる印象に繋がったと思いました。
メンテナンス・レジリエンス OSAKA2020
https://www.jma.or.jp/mente/index.html
メンテナンス・レジリエンス 2020年度開催レポート
https://www.jma.or.jp/mente/report/index.html
今年の2月に幕張メッセで開催された第24回機械要素技術展は、来場者が少なすぎて、閑散とした会場に驚きましたが、今回は、そこと比べても、人がいたことに安堵しました。
■4 ブース内でのコミュニケーションに変化はあるのか?
結論から言いますと、コミュニケーションに大きな変化はありません。
展示品の情報を聞く来場者と、展示品のメリットを伝える出展者は、コロナ以前と変わらずの距離で、コミュニケーションをとっていました。マスクやフェイスシールドで感染防止対策をしているので、ソーシャルディスタンスまでは気にしていない様子でした。
様々な音が入り混じる展示会場で、マスクにフェイスシールドを着用し、ソーシャルディスタンスで会話をするでは、お互いの声は聞こえにくいと思います。現場でお客様とお話をさせて頂いた時にも感じました。
制約がある展示会に、わざわざ来場するということは、「商材」や「業界動向」に関する情報を真剣に探していると思いますので、来場目的が明確で、意識の高い来場者がブースを見学していたと思います。
余談ですがコンパニオンの数は少なく、ノベルティを配布しているブースも、多くはありませんでした。これは人との接触を減らす感染防止対策の一環だと思いますが、「今回は来場者が少ないと思うので、経費を削減しておこう」がホンネな気がします。
■展示会を見学して感じたこと
■緩やかに変化する兆しとは何か?
新型コロナウイルスの影響で、令和2年3月から展示会は中止や延期になりました。非常事態宣言中は、この先どうなってしまうのか?とこれまでに経験したことのない絶望や不安が頭をよぎりましたが、約5ヶ月ぶりに大規模展示会が大阪インテックスで開催されたことに安堵しました。
展示会場は、感染防止対策が徹底されていましたので、安心して見学がすることが出来ました。感染者数が再び増加傾向にある状況ですが、開催を実行して頂いた主催者様には感謝申し上げます。
個人的に今回の展示会での一番の関心事は、「何かが劇的に変化するようなパラダイムシフトは起きるのか?」という以前との相違点でした。展示会を10年以上見学し続けていますが、withコロナ初の大規模展示会で、何かが劇的に変化するようなパラダイムシフトは起きてはいませんでした。
感染防止対策を除き、ブース装飾、来場者と出展者のコミュニケーションのあり方、来場者の態度変容(購買心理)は、コロナ以前と変わりません。しかし来場者の態度変容については、緩やかに変化していくと思います。何故かと言うと、来場者(顧客)が少ない状況では、顧客の奪い合い(淘汰)がより激化するからです。
言葉を選ばず例えるなら、展示会場は、競合が隣接する戦場のような場所です。コモディティ化が進むビジネス社会では、似たり寄ったりでは、顧客に選ばれることはありません。そのため集客できず、新規顧客も獲得できません。
■マーケティング思考
中小企業は、限られた予算の中で出展するわけですから、新規を獲得できなければ、出展する意味がありません。withコロナの展示会では、来場者に選ばれるブース装飾がより重要になります。そして、顧客に選ばれるブースにするためには、マーケティング思考で、他社との違い(差別化)や、比較されない強み(独自性)を訴求していくことがより求められます。
■問いを立てる
選ばれるという点では、私たちのような装飾会社にも同じことが言えます。先行き不透明なwithコロナの展示会では、会場内の雰囲気や、来場者の行動変化にいち早く気付き、それを考慮したレイアウトや導線設計が必要になります。また、どんなブースにすればよいのか?で悩むお客様の問題を解決するだけではなく、お客様のインサイトや課題発見に繋がる問いを立て、それをブース装飾で解決できる装飾会社が選ばれる基準になると考えています。
■ 1・2KOMAミッションの再認識
1・2KOMAでは、12年前の事業開始時から、マーケティングを考慮し集客に繋がるブース装飾を提案して累計5,000件を超えるブース装飾実績を達成して参りました。引き続きこれまで以上に、 1・2KOMAのミッションである新規顧客獲得のためのブース装飾を達成しブース装飾を通じて、中小企業の業績拡大に貢献していきたいと思っております。
株式会社東京展飾
代表取締役 今津 紀貴