来場者に商品の特徴が伝わっていますか?
2022.03.01ギフト・ショー春2022を見学してきました。3年ぶりに東京ビッグサイト東展示棟1~6ホールを使用しての開催です。主催者による来場者速報では3日間の総来場者数は144,923人でした。昨年開催されたギフト・ショー春2021よりも約5万人増加しており、会場は多くの来場者で賑わっていました。また、今回の総出展社数は2,164社で、昨年に比べ732社増加しています。今回のレポートでは、ギフトショーの特徴を3つの視点から解説します。
■展示品の特徴
ギフトショー最大の特徴は、雑貨の展示会です。時計、帽子、カバン、アクセサリーなどの定番雑貨から、流行りのサウナ、キャンプ、グランピングなどのアウトドア関連まで、あらゆるジャンルの雑貨が一堂に会する展示会です。また、SDGsに関連したサステナビリティ、リサイクルユース、エシカル商品なども展示していました。
■ブース装飾の3つの特徴
1つ目は低コスト装飾です。ブースに目を向けると、一見費用を掛けた装飾をしているように見えます。しかし実際はパッケージブースだったり、パッケージに持ち込み什器を配置していたり、床、壁、照明、展示台、または棚程度の費用を抑えた装飾です。低コスト装飾の理由は2つあります。1つ目は小規模事業者の出展が多いことです。2つ目は雑貨が装飾の役割を果たすことが挙げられます。多くの雑貨は色とデザインがあしらわれているので、商品を展示しているだけでも見栄えがよく見えます。
2つ目は雑多なブースです。雑貨は小物が多く、展示スペースが確保しやすいため、商品をたくさん見て欲しい心理が働いているからだと思います。
3つ目は簡素な装飾です。雑多なブースが多い一方、キャッチコピーなどの文言が少ないブース装飾も目に留まります。極力情報を省いた装飾方法は、作品を展示している個展や美術館のようにも見えます。その理由は、雑貨はデザインやセンスが重視されているからだと思います。
■集客ブースの特徴
今回のギフトショーで目に留まった集客ブースは、クラウドファンディングブース、サウナ、キャンプ関連を取り扱うエリア内のブース、すぐれものがたりブースです。すぐれものがたりとは、中小機構がギフトショー内で開催した中小企業総合展のテーマになります。全国から90の逸品が集められています。集客ブースに共通している特徴は、話題性、新規性、機能性、希少性、ストーリー性のあるモノを扱っていることです。抽象化すると、「売りやすいモノ」です。
集客理由は、「売りやすいモノ」を扱っているから、ではないように思います。なぜなら、大きな看板などで大々的に「売りやすいモノ」を掲示していません。クラウドファンディングや、すぐれものがたりというキーワードを見て、売りやすいモノがありそうと想起されるハロー効果が、集客理由の1つと考えています。
■見学を終えて
展示会を見学する時は、全ホールに足を運び見学しています。今回は3年ぶりに東の1~6ホールを使用しての開催でしたので、見学を終えた時には、クタクタでした。雑貨系の展示会を見学するたびに思うことがあります。それは、来場者に商品の特徴が伝わっていないブースが多いことです。
整然と展示しているカバンやアクセサリーだけを見ても、他社商品と何が違うのか、わかりません。モノづくりは、企画、コンセプト、ターゲット、素材、デザイン、製造、上代価格設定などのプロセスを経て、完成しています。その工程には特徴があると思います。
モノ余りと言われている時代では、明確な差別化が必要です。バイヤーは情報収集や売りやすいモノを探しに、わざわざ時間を確保して展示会に足を運んでいます。だからこそ、特徴を言語化しブース内で掲示することが必要だと思います。1小間2小間の小さなブースでは、特徴が明確に伝わるブース装飾をお勧めします。
中小機構公式チャンネル(SMRJ:独立行政法人中小企業基盤整備機構)
【中小企業総合展 in Gift Show 2022】開催レポート【動画が再生します】