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展示会見学レポート


リテールテックJAPAN【展示会見学レポート】

2022.04.01

3月1日から4日間、「リテールテックJAPAN2022」が開催されました。
私は普段、1・2KOMAのデザイナーとして、ブースの看板、パネル、パンフレットなどのデザインを制作しています。今回は、展示会の雰囲気やデザインの傾向など3つの視点でレポートをまとめました。

①ブースの特徴
②デザインの特徴
③体験ブース

ブースの特徴

リテールテックは、流通情報システムやECサイト等のデジタルマーケティング、店舗の販促ツールや決済システムを扱う企業が出展しています。ITや半導体業界のブースカラーの特徴である「青×白」配色が見られる一方で、レストランやカフェなどの内装で使われる「レンガ・木目調」の配色も多数見かけました。

「青×白」はスマートですっきりとした印象になります。そのため「作業がスムーズになる、手間が省かれる」など効率をアピールしたい時にピッタリです。また照明を白にすることでよりクールな印象を与えます。配色によって印象が変わりますので、来場者にどう感じて欲しいのか、予め考えておくことは大切です。

店舗向けの販促用デジタルサイネージのサービスや製品を扱うブースは、「店舗」を意識しているようでした。どんな来場者にブースに立ち寄ってもらいたいか、ターゲットの設定は重要です。

例えば、ターゲットがレストランの経営者の場合。ファミレスの内装で見かけるレンガの壁紙やフローリングをあしらい、照明を暖色にすると、実店舗に近い空間が演出できます。このようにターゲットに合わせてブース全体の雰囲気を考えていくと、商品やサービスの使用シーンがイメージできます。

デザインの特徴

壁面、看板サインのグラフィックは、「写真かイラスト」どちらも半々の割合で使用されていました。どちらを選択するかで悩んだ場合、リアルなシーンの想像であれば「写真」がいいと思います。分かりやすい説明であれば「イラスト」がおすすめです。

ITやシステム系は「分かりやすさ」を重視している印象で、イラストやアイコンを使用しているグラフィックが目立ちました。一方、「リアルな店舗」を意識したブースでは、店舗内の写真や陳列棚が印刷された出力紙を壁面に貼っていました。実物を展示することが難しい場合、出力紙を壁面に貼って見せる方法は効果的だと思います。

体験ブース

壁面のデザインを担当させていただいたお客様ブースで、ゲート型RFIDリーダーを体験しました。ゲート型RFIDリーダーはゲートを通過するだけで、商品情報を読み取り自動決済ができます。

目の前でスムーズに商品が読み取られていく様子に感動しました。ハイテクをよりダイレクトに伝えられるのは、体験ブースの大きな利点です。これがもし近所のスーパーマーケットに導入されたらレジ待ちが解消されるかも… と思わずにはいられません。

壁面デザインについては、最新の製品をアピールするため、未来感をコンセプトにデザインさせていただきました。壁面グラフィックは、ゲートを通過することをイメージしやすいように、右から左へ人物が歩いているシーンをイラストで表現しました。

また、製品の特徴が「会計がスムーズに」なので、書体を斜めにして動きをつけ、文字を細くしてスッキリとした印象を意図しています。看板サインを製品メリットや、デモンストレーションに連動することで、訴求力を高めるブースになると思いました。

見学を終えて

リテールテックJAPANでは、リアルな店舗をイメージしたブースが多い印象でした。そのため印刷では、写真素材の採用が見受けられました。グラフィックで情報を伝える際の表現方法は、「文字とビジュアル」の2つに分けられます。出展テーマにそって表現方法を決めると、まとまりのあるデザインになり、情報が伝わりやすくなります。

今回の見学では、私がデザインした制作物が来場者にどのように見られているのか、俯瞰して見ることができました。主観と客観を使い分けることで、デザインの質を高められることを再認識しました。

デザイナーM.K