【レポート】JIMTOF 2022
2022.12.14
11月8日から6日間、東京ビッグサイトで「JIMTOF 2022」が開催されました。JIMTOFは、東京ビックサイト全館を使用し、2年に1回開催される工作機の展示会です。「JIMTOF」という名称は、「JAPAN INTERNATIONAL MACHINE TOOL FAIR」の頭文字で日本国際工作機械見本市とも言います。1962年から60年も続き、世界4大工作機械見本市に数えられる歴史のある展示会です。
今年はコロナの影響もあり、4年ぶりのリアル開催です。出展社数は1086社で過去最大の規模です。また、会期中の総入場者数は114,158人でした。今回は3つの視点で展示会の傾向や雰囲気をまとめてみました。
①展示会の特徴
②気になったブース装飾
③集客ブース
■展示会の3つの特徴
1つ目は施工日数と会期の長さです。
多くの展示会は施工日で2日間、会期と撤去に3日間、計5日間で行われます。しかし、JIMTOFは展示品の機械と連動してブースサイズが大きいため、運搬、施工に時間を要します。そのため、施工日だけで5日間設けられており、会期は6日間、撤去に3日間の計14日間で行われます。
2つ目は木工ブース装飾が目立ちます。
JIMTOFは他の展示会と比べると大型機械を展示している大きなブースが目立ちます。これらのブースは、見栄えを重視する傾向で、オリジナル造作が特徴の木工ブース装飾が好まれているように思います。また、2年に1回の開催ということで、他社との差別化を図るためブース装飾に費用を掛け、力を入れている印象です。
3つ目は東と西・南ホールでブース装飾の傾向が異なることです。
東ホールは大きい小間に木工造作やコンサート会場で使われるトラスで高さを出しています。また、大型のサイネージや機械を展示しているブースが目に留まりました。一方、西と南ホールでは、大きな小間が少ないため、装飾規定の高さ3メートル以下のブースが多い印象です。小さくても、機械や工具の展示方法に工夫を凝らし、木工造作や印刷、そしてモニターで差別化を図っていました。
■集客しているブースの特徴
JIMTOFでは大型機械のデモや実機が展示されているブースに人が集まっていました。一方、パネルやモニターの映像だけのブースは人が少ない印象です。来場者が求めていることは、写真や映像だけでなく実際に足を運んで自分の目で見て触って体験できることにあると思います。2年に1回の開催であれば、より一層その気持ちは大きいものになるかと思います。
他には、来場者の目に留まりやすい通路側部分のキャッチコピーや、何を展示しているか一目でわかるブースには、多くの人が足を止めている印象です。
■気になったブース装飾
今回、見学して気になった装飾は、小さな展示品を会場躯体を利用しながら展示しているブースです。展示品はペンほどのサイズしかなく、並べて置いておく展示方法では目立たず素通りされてしまいます。また会場の躯体が通路側からブースを見る際の視界を遮り、動線や見せ方が難しい位置でした。
しかし、ホールの入口側に向けて小さい展示品を拡大した写真と間接照明を使用し目を引きました。また、ただ目を引くだけでなく、何を扱っているかが一目で分かり、すぐ横には実物を展示し、案内の流れも考えられているブースでした。
■見学を終えて
今年はリアル展示会が4年ぶりの開催です。多くの来場者で賑わうのではないかという期待と、減少傾向だった感染者数が11月から増加に転じ、来場を控える方が増えるのでは、という不安がよぎりました。しかし、心配を余所に、開場前から入場を待つ来場者で長蛇の列でした。開場後も時間が経つにつれ、どんどん人が増えていき、不安は消し飛びました。
機械の展示やデモを行っているブースでは、写真や動画を撮影している来場者に展示機械が囲まれ、隠れてしまうほどの人だかりです。実物を見ることができる本展の開催を多くの人が待ち望んでいたように感じました。
展示会見学の際は、大きなブースの装飾を小さなブースで、どうすれば実現できるのか?常に問を立て、日々の業務に取り組んでいます。そんな中、普段開催されている規模と異なるスケールの展示会、大きなブース、そして凝った木工ブースなどは、とても学びが多く参考になりました。見学を通して学んだことを小さなブース装飾に活かしていきたいと思います。