【レポート】SEMICON Japan 2024
2025.02.10
昨年12月、東京ビッグサイトにて開催されたエレクトロニクス製造の国際展示会「SEMICON Japan 2024」に、今年も足を運びました。本レポートでは、2021年のレポートに続き、SEMICON Japanの変化を調査するため、会場の様子を3つの視点からご報告いたします。
① 開催状況の変化
② 展示企画の変化
③ 気になったブース

■開催状況の変化
2021年のSEMICON Japanは、新型コロナウイルス感染症対策を講じながら、オンラインとのハイブリッド形式で、東1~5ホールで開催されました。
3年ぶりに通常開催となった2024年は、会場を東1~8ホールに拡大し、延べ来場者数は2021年の約4倍となる103,165人を記録しました。これは、展示会規模の回復と、近年高まっている半導体への関心の高まりを示しています。会場に向かう駅からの道中や、開場時の行列など、会場は多くの人で賑わい、活気あふれる光景でした。

会場では、紙のフロアマップの配布が中止され、QRコードによるWeb版のマップ利用が推奨されるなど、サステナビリティへの意識の高まりがうかがえます。また、SEMICONの恒例イベントであるハッピーアワーは、コロナ禍の影響で集客効果が低下していましたが、今回は各ブースで活気を取り戻し、盛況の様子でした。

■展示企画の変化
①セミナー
YouTuberやVTuber、ゲーム配信者をゲストに招いたトークセッションなど、ユーモアを交えつつ、半導体業界をわかりやすく解説するセミナーには、会場に入りきれないほどの来場者が集まりました。コロナ禍における人々のライフスタイルの変化は、YouTuberへの関心の高まりに繋がったと考えられます。今後も、動画広告市場の成長を背景に、より魅力的な展示が期待されます。
②デモンストレーション体験
東8ホールでは、「SEMICON STADIUM」と題し、野球のスイングをAIで解析できる体験エリアや、生成AIを搭載した卓球ロボットと選手の実演、AIバスケットボールロボットの実演など、さまざまなAI体験が楽しめるコーナーが設けられていました。
来場者は、これらの体験を通して、AI技術がスポーツにどのように応用されているかを体感することができました。「分解展示&VR体験ゾーン」では、VRデバイスを実際に分解できるなど、体験型の展示が充実しており、ホール全体が活気に満ちていました。

③学生向け企画
半導体業界の市場拡大に伴い、半導体人材の不足が深刻化する中、SEMICONは、特に次世代を担う人材育成に力を入れています。以前より学生向けの企画は開催されていましたが、「歩き方マップ」の展開など、需要拡大に合わせてさらに取り組みを強化していることが伺えます。

■気になったブース
・洗練されたブースデザイン
SEMICONでは、大手企業を中心に洗練されたブースデザインが多く見られました。

・使用シーンを想像させるデザイン
泡が発生する造作と、水疱に見立てた円形パネルで特性を連想させながら説明されていました。製品そのものの魅力に加え、背景のデザインによって、製品の用途や特徴をより深く印象づけることができます。

■展示会見学を終えて
2021年のレポートを振り返ると、開催規模の拡大や来場者数の増加に目を見張るものがありました。3時間かけて会場を回りましたが、東1~8ホールを使用した大規模なイベントのため、来場者がすべてのブースを回るには、3時間では到底足りません。情報収集や商談を行うには、さらに多くの時間が必要となります。
大手企業の洗練されたブースが多く見受けられる中で、来場者の目を引く独自のブースデザインの重要性を改めて認識しました。
今回は大規模ながら、東ホールに集約されたことで、集客に繋がったと考えられます。しかし、今年からは、東京ビッグサイトの大規模改修工事が予定されており、今後の展示会にも新たな変化が見込まれています。青海展示棟とビッグサイト間の移動が日常だった時代も、今では懐かしい思い出です。出展される展示会の開催場所にも注視しながら、ご相談ができれば幸いです。
過去に開催された展示会の傾向や変化なども踏まえ、お打ち合わせさせて頂きますので、ブース装飾でお困りごとがございましたら、1・2KOMAまで、お問い合わせお待ちしております。

ブース装飾プランナー
S.W