【レポート】DX 総合EXPO 2025 東京 春
2025.04.14
春の陽気がようやく感じられるようになった2月最終週、幕張メッセで2月26日から3日間、「DX 総合EXPO 2025 東京 春」が開催されました。
DX 総合EXPO 2025 東京 春は、<業務効率化><働き方改革><経営基盤強化>を実現するためのDXソリューションが一堂に集う日本最大級のDX総合展になります。東京では年に2回、3日間ずつ開催されています。(大阪でも開催あり)
出展社数は440社、3日間の想定合計来場者数は25,000人、過去最大規模での開催となりました。(公式招待状参照)。他の展示会と同様に事前登録を済ませてから来場し、受付で登録完了時に発行されるQRコードを提示して入場します。(当日会場での登録も可能)本展示会ではこのQRコードを活用します。
私が会場に到着したのは最終日の金曜日12時頃でしたが、帰る頃にはさらに人が増えていました。今回のレポートでは、DX 総合EXPO 2025 東京 春の見どころを3つのポイントに絞ってご紹介します。
■会場内の様子
■集客ブース
■気になったブース

■会場内の様子
本展示会は、DX化を検討する企業の経営者をはじめ、人事、総務、経理、マーケティングなどの担当者が、最新の製品やサービスを比較検討したり、著名な経営者によるDXセミナーで最新トレンドを学べるBtoB向けの展示会です。
総務人事やマーケティングに特化した展示会でよく見られる特徴として、来場者への積極的な呼び込みを行う出展社が多いことが挙げられます。気がつけばパンフレットやノベルティで両手が一杯になっている、という方も少なくありません。
多くの出展社が来場者のQRコードを名刺代わりに読み取り、パンフレットやノベルティの配布、商談などを行っていました。DX 総合EXPOでは、来場者が多くのブースを回遊するよう、QRコードを8社以上のブースで読み取り、会場内を回遊すると、豪華景品が当たる展示会限定ガチャに参加できるという独自の取り組みを実施していました。
BtoB向け展示会でこのような取り組みを行うのは珍しく、来場者の回遊率向上に大きく貢献していました。「キャンペーン」ではなく「ガチャ」と銘打つことで、ゲーム感覚で楽しめる点が来場者の興味を引き、参加意欲を高めていたように感じます。
他にも、アンケートに答えた来場者にAmazonギフトカードをプレゼントするコーナーを設けるなど、様々な工夫で来場者数を増やそうとする試みが見られました。(Amazonギフトカードは後日メールで送信)

全体的に青や白を基調としたブースが多く、キャッチコピーを大きく印刷した壁面や看板が目立ちました。一方で、黒を基調としたブースは少なかったため、かえって目立っていました。複雑な構造や凝った装飾よりも、キャッチコピーを掲げることを重視したブースが多かったことから、来場者に情報量でアピールしようとするDX 総合EXPOの「色」を感じました。
キーワードとしては、「DX化、AI、動画編集、RPA、OCR、離職の予防」などが出展社から積極的に発信されており、営業の呼び込みが盛んな分、来場者の目的とマッチングしやすい環境でした。ただし、呼び込みや売り込みが非常に多いため、事前にその点を認識しておく必要があります。
出展する側としては、周囲の呼び込みに埋もれないよう、同様に積極的にアピールするか、異なる方法で来場者の目を引くかなど、工夫が必要です。

■集客ブース
呼び込みが飛び交う展示会で、どのように集客すれば良いのでしょうか。本展示会で集客に成功していたブースをいくつかご紹介します。
■通路側に人を集める工夫

人が集まっているブースは、ブース内ではなく、主に通路側に人を集める工夫をしていました。デモやセミナーを行う際も、通路側近くで行われていました。
また、通路側によくある悩みを掲げたパネルを設置し、来場者の目を引く方法も効果的でした。具体的なFAQを提示することで、ターゲット層にアピールしやすくなります。
通路側に人が集まれば、自然と人だかりができ、集客効果が高まります。もちろん、隣のブースの妨げになるような過度な集客や、通路を塞ぐような設置は避けるべきですが、展示会規定の範囲内で展示の配置を工夫することが集客の鍵となります。
■来場者の心理的負担を軽減するレイアウト

こちらのブースでは、光る看板を掲げ、その下にパネルを設置した造作物を通路側に向けていました。設置場所も点在させており、まんべんなく集客できる設計になっていました。
一見すると一般的なブースに見えますが、来場者の心理的負担を軽減する通路側寄りの配置や、遠くからの視認性と近くでの詳細な情報提供を両立させた構造により、多くの来場者を獲得していました。
今回の展示会では、このような構造を採用しているブースはほとんど見られませんでした。別日に来場したスタッフからも、このブースが盛況だったという報告があり、非常に効果的なブース設計だったと言えるでしょう。
■実機の展示

サービスを導入した実機を見せられるのであれば、たとえ1小間の出展でも展示した方が良いでしょう。ソフトウェアやサービス導入系の展示会では、実機を見せるブースは少ないため、写真のように目の前で実際に動かして見せることで、他のブースとの差別化を図ることができます。
■気になったブース
■昭和レトロなブース装飾
会場でひときわ目を引いたのが、昭和レトロなビジュアルで統一されたブースです。アトラクションのような密度とデザイン性で、ブース内の回遊性をあえて抑え、来場者の興味を惹きつける設計になっていました。
このブースは、イベントや店舗の施工を手掛ける企業が、自社の技術力をアピールするために出展したもので、装飾のほとんどが紙で作られていました。来場者だけでなく、出展者もターゲットにしている点が特徴的です。
このような凝った装飾を自社で施工できる企業は珍しいですが、とにかく目立って覚えてもらいたい、人の目に留まりたいという場合は、あえて展示会の特徴から外れて目立つというのも有効なブース設計と言えるでしょう。

■ノベルティを配布しているブース
昨今の展示会では、ノベルティを配布する出展者が多く、本展示会でも文具や食品などのノベルティをよく見かけました。意外性のあるものや、高級感のあるもので目を引く方法も、多くのQRコードを集めるためには有効です。
ストレス解消や癒し効果を謳い、柔らかい感触のボールを配布しているブースがありました。ノベルティとしては珍しく、光る仕掛けも搭載されていました。

■炭酸飲料やエナジードリンクを配布しているブース
水やお茶とは違い、気分転換になるような飲み物は、もらって嬉しいと感じる来場者が多かったのではないでしょうか。

他にも、リラックス効果のある蒸気で温まるシートや、手のひらサイズのメンチカツバーガーなど、ユニークなノベルティも見かけましたが、総じて長期的な使用よりも、即効性のある効果を期待できるものが多かったように感じます。
■展示会見学を終えて
今回、初めてDX総合EXPOを見学してきました。他の主催者が開催する総務人事・マーケティング系の展示会と比べても、呼び込みの多さや積極性は同等レベルで、勢いがありました。
来場者として見学する場合は、「売り込みを受ける覚悟」で臨むことをお勧めします。一方、出展する側は、他のブースに負けないよう、積極的に呼び込みを行うか、異なるアプローチを検討する必要があります。
また、ここ数年で変化しているのが、各ブースのキャッチコピーの内容です。5~6年前と比べて、掲げられている情報量が格段に増え、具体的な内容になっていると感じました。

商材が常に最新のものにアップデートされているのは当然ですが、以前にも増して、より訴求力の高い情報を積極的に発信しようとする姿勢が顕著になってきているように感じます。使用されているキーワードも、以前は「自動化、AI、人材不足・育成」が多かったのに対し、現在は「AI、RPA、OCR、離職の予防」といったワードをよく見かけるようになりました。
時代に合わせて訴求するキーワードを更新し続けることが、集客から新規顧客獲得へと繋がる重要なポイントと言えるでしょう。私たちは、展示会の特徴やお客様の問題や課題を解決するためのブース装飾をご提案しております。展示会にご出展の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
ブース装飾プランナーサポートA.Y